昔、米軍の基地を「包囲」しようとしたことがある。ただし、ひとりで、てくてく歩いて——。東京西郊の立川基地は、戦後長い間、米軍基地だった。大學の休みに基地沿いに歩いて、その大きさを実感しようとした。まだベトナム戦爭が続いているころだった。

　　筆者曾經想“環繞”美軍基地。但,不過是自己一人徒步行走。東京西郊的立川基地,在戰后的很長一段時間,一直是美軍基地。筆者在大學的休息日里沿著基地行走,想要感受它的巨大。那,還是在越戰時期的事了。

　　ゲートから、フェンスの外の道ぞいに歩いた。しかし、行っても行ってもフェンスは途切れない。かなりの暑さの中、３時間近く歩いたところで「包囲」を斷念した。地図を見ると、歩き終えたのは、まだ外周の半分足らずだった。

　　筆者從大門沿著垣墻外圍的道路行走。但走啊走啊,垣墻卻一直沒有盡頭。在酷暑中走了近3小時,筆者終于放棄了“繞一周”的想法。看看地圖,發現自己所走的,還不到整個外圍的一半。

　　立川基地は１９７７年、昭和５２年に日本に全面返還され、やがて自衛隊の駐屯地や公園になった。しかし戦後６０年が過ぎても、返還されていない基地が全國には數多い。

　　立川基地于1977年,昭和52年全部歸還給日本,不久就成了自衛隊的駐扎地及公園等。但盡管戰爭已經結束60年了,全國還有為數眾多的基地尚未歸還。

　　神奈川県の厚木基地の米空母艦載機を山口県の巖國基地へ移す計畫を巡る巖國市の住民投票で、「反対」が多くを占めた。市民の反対が強く切実なことが改めて示された。

　　圍繞著“將神奈川縣厚木基地的美國航空母艦載機移至山口縣巖國基地”的這一計劃,在巖國市所進行的居民投票中,反對票占多數。這一結果再次反映了市民們強烈反對痛切之情。

　　あの遠い夏の日の基地「包囲」のころは、基地と日々隣り合って暮らす人々の切実さには、あまり思いが及ばなかった。今、沖縄をはじめとしてこの列島にあり続ける米軍基地の多さを考えると、日本は世界の戦場とつながっているという現実が目の前に迫ってくる。

　　在那個遙遠的夏天,筆者“環繞”基地之時,并沒有過多的考慮到那些每天在基地旁生活著人們的切實性。現在,只要一想到以沖繩為主,在日本列島上的眾多美軍基地,就能迫切地感受到日本是與世界的戰場緊密相連的這一現實。

　　國の安全保障の問題では、地元の意向がすんなりとは通りにくいかもしれない。しかし基地の存在が大きくなり重くなることは、その地の人々の日常を、より戦場と強く結ぶことにつながる。自治體、政府の側はもちろんだが、基地から離れている身でも、それを忘れないようにしたい。

　　在國家安全的保障問題上,恐怕無法簡單地順應當地的民意。但基地存在的這個巨大而沉重的事實,卻是把當地人們的日常生活與戰場更加緊密地牽扯在一起了。自治團體,政府方面自不用多言,希望那些已經離開基地的人們,也不要忘了這一點。[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][13][14][15][16][17][18][19][20][21][22][23][24][25]