前漢第四代の考景帝は即位と同時(shí)に、天下に賢良の士を求め、まず詩(shī)人として聞こえていた轅固生を召して博士とした。固は山東の生まれ、當(dāng)時(shí)九十歳だったが、帝の召しに感激し、「若い者なんかには負(fù)けないぞ」と白髪頭をふりふり出て來(lái)た。

　　だが、この直言一徹居士に來(lái)られては、煙ったくてたまらぬオベンチャラ屋のエセ學(xué)者たち、なんとかして帝に思い止まらせようと、必死になって固の悪口をならべ立てた。

　　「あの老いぼれはもう役に立ちません。

　　田舎へあのまま置いておき、ひい孫の守りでもさせた方がようございます?！?/p>

　　しかし帝はこの中傷を聞かず、ついに固を召し抱えることにした。この固と同時(shí)に召されたのは、同じく山東の公孫弘という少壯の學(xué)者。この公孫弘は、(このヨボヨボじじい奴が)という目つきで固をにらみつけていた。だが固は一向に意に介さず、公孫弘に言った。

　　「いま學(xué)に道が亂れ、俗説が流行している。

　　このまま放置すれば、由緒ある學(xué)の伝統(tǒng)は、ついに邪説のため姿を失うに至るだろう。

　　君は幸いに若いし、好學(xué)の士と聞く。

　　どうか正しい學(xué)問(wèn)をしっかり勉強(qiáng)し、世に押し弘めてくれたまえ。

　　決して自己の信ずる學(xué)説を曲げ、世の俗物どもに阿(おもね)らないように」

　　これが曲學(xué)阿世の言葉の起こりとなった。

　　このじじい????と思っていた公孫弘も、節(jié)を曲げない固の立派な人格と、豊かな學(xué)識(shí)に打たれ、大いに恥じ入り、さっそく無(wú)禮をわびて、固に弟子入りした。固が生れ、大半の生涯を過(guò)した山東では、詩(shī)を?qū)Wぶ者は、みんな固を手本にしたし、當(dāng)時(shí)の名ある詩(shī)人はみんな固の弟子だったという。

　　ところで、固の剛直ぶりを物語(yǔ)る一つのエピソードがある。

　　景帝の母親竇太后は大の老子好き、ある時(shí)博士の固を呼んで訊ねた。

　　「そなた、老子のことを一體どう思うな？」

　　問(wèn)われた固、ほめるのも平素の信念にもとると、「老子などは下男や奴隷と同様下らない男です。

　　だからあれのいうことはみんな、いいかげんなごまかしに過(guò)ぎません。

　　いやしくも天下國(guó)家を論ずる士が、問(wèn)題にする価値のある本ではありません?！工瓤证欷毪趣长恧猡胜辘筏韦伽?。

　　果たして太后は真っ赤になって怒った。

　　「この不屈者、みずからの尊敬する老子をインチキ呼ばわりするとは憎い奴。

　　この男をすぐ牢に入れておくれ?！?/p>

　　牢に放り込まれた固は、罰として毎日、豚殺しをやらされることになった。太后にしてみれば、九十を過(guò)ぎた老人の固に豚殺しはむずかしかろう。できなければできないで、また他の罰を下す理由ができる????、という気持ちからだった。嫌がらせの年齢のばあさんの考えることは、いまもむかしも変わりはないようだ。

　　ところで、可哀想に思ったのは帝、鋭利な刃物を獄中の固に賜り、豚を刺させたところ、たった一突きでうまく心臓を貫き、豚はドウとたおれ、そのまま息絶えた。これを聞いた太后、固の泣き面は見(jiàn)られなかったし、自分の子とはいえ、皇帝がこんなことをしたのでは、これ以上固をやっつけることもできないと、不承不承、固を赦して牢から引き出した。固は再び博士にもどった。

　　この悪びれぬ、権力を恐れず直言する態(tài)度に感心した帝は、固を三公の一つである清河王太傅に昇進(jìn)させ、ますます信任はあつく、「もう老齢ですから????」といくら頼んでも免官にせず、固が病気になり、出仕ができなくなって、やっと免官のお許しが出るという信任ぶりだった。

　　戦爭(zhēng)中、軍部のお先棒をかついで?八紘一宇?などと吹聴した輩は、この曲學(xué)阿世の最たるものだろう。近くは吉田元ワンマン首相、全面講和を主張する學(xué)者を?曲學(xué)阿世?とキメつけたが、學(xué)を曲げ、世におもねったのは一體どっちだったろうか。